半径が1の円に内接する正五角形

半径が1の円に内接する正五角形を考えます。その作図方法も考えると、これからの円周等分方程式 x^5-1=0 の解についても考えやすくなります。

こんな感じの五角形。

早速記号などを入れます。

 この五角形をかくには、1辺の長さを求めます。
その長さで円を切っていけばいいのです。



二重根号が出てくるので、式が見づらいですが・・・。
 今回は作図法を・・・・。

円の半径を1とし,正五角形の1辺の長さをxとします。
すると図のように正五角形の性質から
∠BAF=36度, ∠ABF=54度 ですから,∠AFB=90度
つまり,△ABFは直角三角形です。

∠AFOも90度となりますから,△AOF∽△ACM
したがって,AO:AC=OF:CM

正五角形の1辺が1のとき対角線の長さは\frac{1+sqrt{5}}{2}でしたから
正五角形の1辺がxのとき対角線の長さは \frac{1+sqrt{5}}{2}x です。

これより,

1:\frac{1+sqrt{5}}{2}x=a:\frac{x}{2}
比の性質から
\frac{1+sqrt{5}}{2}ax=\frac{x}{2}

したがって, (1+\sqrt{5})a=1

これから, a=\frac{1}{1+\sqrt{5}}

分母を有理化すると a=\frac{\sqrt{5}-1}{4}

△ABFで
x^2=AB^2=BF^2+AF^2

ここでBF^2=b^2=(1-a)^2=\left(\frac{5-\sqrt{5}}{4}\right)^2

AF^2=1^2-a^2=1-\left(\frac{\sqrt{5}-1}{4}\right)^2

x^2=\left(\frac{5-\sqrt{5}}{4}\right)^2+1-\left(\frac{\sqrt{5}-1}{4}\right)^2=\frac{5-\sqrt{5}}{2}

x^2=\frac{5-\sqrt{5}}{2}=\frac{10-2\sqrt{5}}{4} より

x=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}

これでxは求まりましたが,問題はxの長さの作図法です。

それには,次のようにします。

x^2=\frac{5-\sqrt{5}}{2}=1+\frac{3-\sqrt{5}}{2}=1+\frac{6-2\sqrt{5}}{4}

ここで\frac{6-2\sqrt{5}}{4}=\left(\frac{\sqrt{5}-1}{2}\right)^2 ですから

x^2=1^2+\left(\frac{\sqrt{5}-1}{2}\right)^2

となります。するとxは直角をはさむ2辺が
1と\frac{\sqrt{5}-1}{2}である直角三角形の斜辺として求められます。

実際の作図

実際の作図では次のようになります。

半径1の円で,まず円周上に1点Aをとります。直径OAと垂直な直径(水平線)を引きます。
OM=1\over 2に取ります。垂直二等分線の作図でMは求まります。
このときMA=\frac{\sqrt{5}}{2} です。
Mを中心として,MAを半径とする円と水平線との交点をNとすると
ON=NM-OM=\frac{\sqrt{5}}{2}-\frac{1}{2}=\frac{\sqrt{5}-1}{2}

正五角形の1辺の長さxは
x^2=1^2+\left(\frac{\sqrt{5}-1}{2}\right)^2であり,
xは直角をはさむ2辺が
1と\frac{\sqrt{5}-1}{2}である直角三角形の斜辺として求められますから

ANが求める長さxとなります。
図はAN=ABとして,点Bを求めたところです。あとは点C,D,E
をとれば良いのです。