ド・モルガンの法則
離任式で久しぶりに卒業生に会うと、数学の授業で数学Aが難しいようだ。集合の単元らしい。中学校のときのように計算をするだけではなく集合というと論理が大事になるので、物事を論理的に考えなくてはならない。
例えばド・モルガンの法則など。
これがド・モルガンの法則。
このブログでは補集合を表す上線が表現できるので便利。
この法則を証明せよと言われたらどうする?教科書などでは図で説明しているようだが・・・。
この証明を集合論の本などで見ると、
証明
であるから
はに属さない要素全体
「に属さない」ということは「『AまたはB』に属さない」ことと同値であるから
「Aに属さない」かつ「Bに属さない」ことと同値
したがって、
は「Aに属さない」かつ「Bに属さない」要素全体
すなわち、 かつ
であるから
と、論理で証明していた。
論理が分からないと、この証明は分からない。
で、私なりに証明を考えてみた。
背理法を使っているので、こちらでも分からないかも・・・、
証明
まずを言う。
それには、ならばが言えれば良い。
とするとである。
そこで、を示す。
はに属するか、属さないかの2つに1つである。
もしと仮定すれば、
であるから、
すなわち でなければならないが、
これはに反する。
したがってではない。2つに1つのうち一方が正しくないのだから
つまりである。 (この論理法を「背理法」という)
これより・・・(1)
xとBについても同様にして、・・・(2)
(1)、(2)からかつ
であるから
したがって、
これで証明の前半が終わる。
後半はを示せばよい。
それには、として、であることを導く。
ここで使われている論理に「背理法」を使っているので高校1年生の諸君にとっては難しかろう。
そういう事情で、教科書や参考書はベン図を使う。
ところで証明の後半はどうやるのかお分かりだろうか?