久しぶり

 久しぶりに、こちらに記事を書く。完全退職して1年がたった。自宅にいてやったことはいろいろ。
 まずは推理小説を読んだ。そのうちネタやパターンが分かって面白くなくなり、数学の復習を始めた。
 やったのは高校の数学。数学123とABCの教科書6冊を取り寄せ、問題を解く。5月頃からか・・・。終わったのが10月いっぱい。
 そのあとは全高校受験問題に取りかかる。都立の入試を解く。次に埼玉と千葉を。それから関東地方の国立高校の問題。そして東京の一部の私立の問題を解く。解き終わったのが今年の2月の始め頃。
 で、ガロアの理論の解説書を1冊読む。ノートを取りながら読んだ。そして今は2冊目。機会があったら、アップする予定。

ド・モルガンの法則

 離任式で久しぶりに卒業生に会うと、数学の授業で数学Aが難しいようだ。集合の単元らしい。中学校のときのように計算をするだけではなく集合というと論理が大事になるので、物事を論理的に考えなくてはならない。

 例えばド・モルガンの法則など。

\bar{A\cup B}=\bar{A}\cup\bar{B}

これがド・モルガンの法則。
このブログでは補集合を表す上線が表現できるので便利。

この法則を証明せよと言われたらどうする?教科書などでは図で説明しているようだが・・・。

この証明を集合論の本などで見ると、

証明

x\in\bar{A\cup B}であるから
xA\cup Bに属さない要素全体
A\cup Bに属さない」ということは「『AまたはB』に属さない」ことと同値であるから
「Aに属さない」かつ「Bに属さない」ことと同値
したがって、
xは「Aに属さない」かつ「Bに属さない」要素全体
すなわち、 x\in\bar{A} かつ x\in\bar{B}
であるから x\in\bar{A}\cap\bar{B}

と、論理で証明していた。
論理が分からないと、この証明は分からない。


で、私なりに証明を考えてみた。
背理法を使っているので、こちらでも分からないかも・・・、

証明
まず\bar{A\cup B}\subset \bar{A}\cap\bar{B}を言う。
それには、x\in\bar{A\cup B}ならばx\in\bar{A}\cap\bar{B}が言えれば良い。

x\in\bar{A\cup B}とするとx\notin A\cup Bである。

そこで、x\notin Aを示す。

  xAに属するか、属さないかの2つに1つである。

   もしx\in Aと仮定すれば、
A\subset A\cup Bであるから、
x\in A\subset A\cup Bすなわち x\in  A\cup Bでなければならないが、
これはx\notin A\cup Bに反する。
  したがってx\in Aではない。2つに1つのうち一方が正しくないのだから
  つまりx\notin Aである。  (この論理法を「背理法」という)
これよりx\in\bar{A}・・・(1)

          
 xとBについても同様にして、x\in \bar B・・・(2)

(1)、(2)からx\in \bar Aかつx\in \bar B
であるから x\in \bar A \cap \bar B

したがって、\bar{A\cup B}\subset \bar A \cap \bar B

これで証明の前半が終わる。
後半は\bar{A\cup B}\supset \bar A \cap \bar Bを示せばよい。
それには、x\in \bar A\cap \bar Bとして、x\in \bar{A\cup B}であることを導く。

 ここで使われている論理に「背理法」を使っているので高校1年生の諸君にとっては難しかろう。
そういう事情で、教科書や参考書はベン図を使う。

ところで証明の後半はどうやるのかお分かりだろうか?

久しぶり

 3月に退職し、現在はのんびりと自宅にいる。たまにはHatenaブログも書いておかないと、編集の仕方を忘れてしまう。今取り組んでいるのは置換群、といっても3次と4次のもの。ガロアの理論を攻略したいのだが、ネックは最後の方に出てくる5次の置換群が可解でないということ。いままで適当に読み飛ばしたので、良く分かっていない。退職して時間があるので、3次の置換群と4次の置換群について調べているところ。
 置換群の乗積表を手作業で作るのは大変だから、10進Basicというプログラムソフトでプログラムを作って調べる予定。